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あるK社長の事例

先日、起業して数年の同業者社長と会いました。いろいろとお悩みがありそうでしたが、改めて思うことがありましたのでここに書いてみたいと思います。

 

その社長さんを仮にK社長とします。K社長は警備業をほぼ未経験でしたが、友人(以下、O社長と称します)の経営する警備会社で、ごく短期間の現場勤務を経験して起業に至りました。自己資金はほぼなしで、O社長とは別の知人(以降、H氏と称します)からの借り入れが資本金および運転資金だったそうです。IMSグループは、O社長と親交がありましたので、O社長を通じてK社長の会社とも取引することになりました。K社長の会社はO社長のアドバイスなどもあり、徐々に売り上げが向上しているようでしたが、紆余曲折を経て、現在ではピーク時の半減くらいの印象です。開業時の資金も枯渇していて、入金より支払いが先に来るこの商売では、この状態から売り上げを向上して利益を増やしていくにはさらなる資金(借り入れ)が必要になります。現況に至るには、ほかにもさまざま要因はあったと思いますが、ここでは資金に絞って考えます。
社長の悩み(前編)

資金調達の苦しみ

現金商売ならいざ知らず、掛け売りをする業態では、売り上げを伸ばすためには比例した運転資金が必要で、売り上げが上がれば上がるほど先払い費用も多く発生することになります。管理する人件費や諸経費も増大し、それらをクリアして利益を多く出せば大きく課税されることになり、先払い費用が大きくなっているところにさらに多額の現金が必要になるという資金難に直面することになります。利益は出ているのに経営困難。悪くすれば黒字倒産ということになりかねません。事実K社長の会社も創業以来かろうじて黒字を継続してはいます。しかしながら増大していく運転資金の調達に苦しみ、売り上げを縮小して運転資金の延命を図った結果ではないかと思われます。
社長の悩み(前編)

最も恐ろしい敵は恐怖心だ。それは自分の中にある。

このようなことは当然ながら起業する前から分かってはいることです。純粋に潤沢な自己資金があるなら別として、売り上げ・利益を向上したいという気持ちと、健全な運転資金であっても借金が増えていくことの恐怖心とのバランスをとって経営していくということは、きわめて強靭な精神力と正しい判断が求められ、そんな人はいったいどれだけいるのか?と思ってしまいます。実際、知識として知っているのとやってみるのでは天と地ほどの違いがあります。ましてや初めて起業するようなケースにおいては知らないことがあきれるほどたくさんあって、良い商品を揃えるとか、マーケット調査をするとか、経費を節減するとか、なんとなく起業前にイメージするような創業イメージは、資金繰り一つで全ての方向性を(コンセプトや企業理念などですら)変えてしまうほどの別次元の問題になります。

 

IMSグループは創業以来、資金調達をはじめとする資金計画の最終責任を、初代総代の篠田会頭が一手に担い、その他の創業メンバーが真の意味で資金を気にすることなく業績を上げることに集中してきました。役割分担をする。それはとても重要ではありますが、なぜそれが出来るのか?そして様々な役割分担をそれぞれが分担していることを、お互いが尊重してそれぞれの業務に邁進する。そのことの方がもっと重要で難易度の高いことです。なぜそれが出来るのでしょうか?

 

長くなりましたので、いったんここまでにします。

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