自分たちはどうだったのか?
前回、同業のK社長のお悩みを書いてみました。
端的に言えば運転資金が枯渇し、実態の損益は赤字、さらなる資金調達が困難で身売りすら考えている。そんな状況です。
IMSグループは今でこそ設立した子会社や買収した会社、そしてグループから巣立った関連会社などを含めたら20社を超える規模になりましたが、創立メンバーたちは、いったいどの様な道をたどってきたのでしょうか?
実はIMSの子会社社長たちの中には、K社長と同じような境遇に陥った人が何人か居ます。私自身もそんな境遇になりました。
しかし身売りや倒産の憂き目にあわずに済んだのは、グループからの支援があったから。そこにつきます。でもなぜ支援してくれるのでしょう?つぶしてしまうほうが合理的なことだってあるでしょう。
実際わたし自身、IMSの創業者のひとり、伊藤取締役が当時経営している㈱伊田電通(現アイデン)という会社が経営難に陥っているとき(IMSによる子会社化以前の話)に、IMSから支援する必要は無いという意見でした。
IMSが起業したばかりの状態なのに、さらに荷物を背負えないと思っていたのです。今思えば恥ずかしい限りです。
忘れがちな大切なこと
我々はなぜIMSを起業したのか?それはかつての我々自身が体験した、やる気があっても夢や希望をつぶされてきたという経験から、やる気に満ちた人の力を存分に発揮させて夢や希望をかなえていく組織を必要としたためであります。
そこから誕生したIMSの理念通り、一人ひとりが人格・能力の向上に努め、仲間とともに繁栄・幸福を得ることが今も昔も我々がやろうとしていることのすべてです。
しかし我々は自発的に人格・能力を向上させる事ができるほど優れた人間ではありません。互いにリスクを負い、それぞれが得意とすることで貢献し、失敗した、あるいは悩んでいる仲間に対して一緒に真剣に悩む。
失敗した仲間を貶めることも、業績を上げた仲間を称えることも、我々にとって重要ではありません。一人ひとりが仲間のために悩んでいるか、人格能力を向上させているか、それこそが重要であり、今後に続く夢や希望をかなえたい人たちの力になるのです。
日常つい忘れてしまう創業の志。忘れてしまうがゆえに起こる諍いは、我々にもありました。いつでも初心に立ち返る。自らを最も戒めなければならないと感じます
次にK社長に会うとき
K社長に、あらためて何のために起業したのか聞いてみようと思います。どうしてもやりたい理由がそこにあれば、K社長の会社はまだまだギブアップする場面ではないと思います。
初心に立ち返ったときに、勇気をもって打てる手段はまだいくつもあるはずです。一人で居ると、なかなかそこに気づけないと思います。初心に帰ること、そしていずれは志を共有できる仲間を作ること、それが叶えばK社長の会社も一変すると思います。
一時の失敗は、けっして悪いことではありません。そのことについてはまた改めてここに書こうと思います。