【悪】の原義は人間にとって有害な諸事象,あるいはそれらの原因をいう。
(ブリタニカ国際大百科事典)
殺人や自殺は悪なのか?
親が子供に「これは悪い事だよ」と教えるとき、「なぜ悪いことなのか」と説明できる親はいるのだろうか?
例えば殺人や自殺について、「良いことだよ」と教える親はい無いと思うが、子供に「なぜ悪いことなの?」と聞かれてどのように答えるのでしょうか?
大抵、殺人については法律に違反するから、「警察に逮捕されるよ」とか「死刑になるよ」と脅かし、自殺については「親が悲しむから」とか「地獄に落ちて欲しくない」と情に訴えるのではないでしょうか?
このように教えられた子供が「なぜ悪いことなの?」と聞くこともほぼ無いと思うが、潜在意識の中では疑問を持つのではないでしょうか?
現に殺人や自殺がこの世界から無くならない所を鑑みると、あながち否定出来ませんね。
正義という名の【悪】
殺人にせよ自殺にせよ、【悪】の原義の通り「人間にとって有害だからだよ」と説明されて納得できるでしょうか?
”正義”と称し、実際の戦争などで沢山の人身を奪った人がヒーローになったり、憎むべき相手を”悪人”と称し抹殺したり、捕虜になるぐらいなら自害することを”美徳”と称したりするのは、「人間にとって有害」ではないのでしょうか?
これらを題材にした映画やドラマが人気になってしまうのは何故なのでしょうか?
多分【悪】の説明が不十分なためです。結局「人間にとって有害」な事象となっていても誰も疑問に感じません。
本当の=【悪】とは
人間にとって本当に有害な事象とは何なのでしょうか?
人間にとって本当に有害な事象とは【不幸】になる事である。=【悪】
反対に言えば、
人間にとって本当に有益な事象とは【幸福】になる事である。=【善】
「なぜ悪いことなのか」の説明
再度、殺人や自殺について考えてみましょう。
殺人も自殺も残された家族や友人が【不幸】になる。だから【悪】である。
家族や友人を【不幸】にする者は無間地獄に落ちるのである。
子を持つ世の親御さんは、子供たちが理解できる年齢になったら、このように説明して欲しいですね。
おまけ~企業にとっての【悪】
これは経営者向けの課題ですが、企業にとっての【悪】とは何なのでしょうか?
前記の通り、
企業の【悪】=関係者を【不幸】にする事=関係者にとって本当に有害な事象
という事です。
だから企業内に巣食う【悪】に対しては、経営者であれ社員であれ全力で排除しなければならないのです!
簡単な事例では、企業に大きな損害(大きな赤字損失や倒産の危機)を与える又は可能性の高い仕組みや輩は完全なる【悪】であり、退治すべき対象なのであります。
なぜなら企業が倒産すれば、大勢の社員やその家族が路頭に迷い【不幸】になる事は明らかです。
悪を始末することを”功”といい、善を起こすことを”徳”と云うのです。