株式上場の意味
上場すると何が良いのでしょうか。
①資金調達手段が多様化し、格段に資金調達しやすくなります。
②信用度や知名度が向上します。
③経営の透明性が高まります。
④株主を強く意識するようになります。
⑤従業員の士気が向上します。
上場すると上記のような効果があります。しかし、よく考える上場せずともすべて実現可能な事ばかりだと思いませんか?
日本にはサントリーのように、優良な非上場企業があります。では上記の①~⑤に何か一つでも問題があるでしょうか?何もないですね。
だからサントリーは創業以来、一度も上場していません。というより上場する必要がなかったはずです。
そうすると上場したがる企業は、いったい何のためにそれを目指すのでしょうか?
上記①~④についてはほぼ建前です。上場できる企業がいわゆる”優良”だとすると、そもそも①~④は全く問題になりません。
しかし⑤の従業員の志気については、大きな効果と言えるでしょう。
例えば「私は上場企業で働いている」というような、誇りを持つ従業員が増えるでしょう。さらにモチベーションが上がることで生産性が向上する効果も期待できます。従業員のメリットとしては、住宅ローンを組むときやクレジットカードをつくるときなど、上場企業に勤務しているだけで大きな信用となります。
素朴な疑問
いわゆる”優良”な企業が上場を目指す理由は、ここにしかありません。
逆に言うといわゆる”不良”な企業が”優良”を装って上場を目指す時の目的は①の資金調達、つまり”金”です。その上、創業者たちは上場に伴う莫大なキャピタルゲインを得ることも期待できます。
現に上場前の企業の株主名簿には、いくつもの金融機関が入っています。勿論、目当てはキャピタルゲイン=”利益”です。
ここで素朴な疑問が浮かびます。
なぜ、いわゆる”優良”な企業が従業員の士気を向上できないのでしょうか?
本当に”優良”であれば、みんな士気が向上していると思いませんか?
そうです。士気が低下する原因をほったらかしているのです。
この重大な原因をほったらかしておいて上場を目指す事は、まさしく”愚の骨頂”(この上なく愚かなこと。最もばかげたこと。)と言わざるを得ません。