ことわざ「去る者は追わず、来る者は拒まず」
読み方 | さるものはおわず、きたるものはこばまず |
---|---|
意味 | 自分を信じられずに、離れて行く者を決して引き止めることはしない。自分を信じて頼ってくる者は、どんな人間でも拒まない。その人の心に任せて、決して無理強いはしないということ。 |
出典 | 孟子 |
人は他人を好き嫌いで判断する
一般的な会社で、辞めた人が戻ってくることは非常に珍しいことですが、警備会社では昔から普通に、辞めた人が戻って来ます。
辞める時の原因は、ほとんどが人間関係です。本能的に人は他人を好き嫌いで判断し、"嫌い"の方が勝った他人が、自分の同僚以下の関係なら排除し、上司以上の関係なら自分が辞める選択をするのです。
だから嫌いな上司がそこから居なくなれば、また戻りたいと思うのです。仕事自体は好きだという人が圧倒的に多いのもまた事実です。
警備会社という性質上、出入りの多い業界ですし、辞めた後も好きな人との交流が継続し、社内の状況など情報が入ってきます。嫌いな人が居なくなったという情報はすぐに伝わるでしょう。
辞めたい人を引き留めることは無駄
嫌いな人を好きになることは、人格が向上した人でしかありえません。好き嫌いでしか他人を判断しない人は愚かですが、これもまた人間の本能と言えます。
なので辞めたい人を、いくら説得しても嫌いな人は嫌いなので、説得するだけ無駄です。だから「去る者は追わず」となります。
愚か者は何度も同じ過ちを繰り返す
前述の通り、嫌いな人が居なくなった情報だけで戻ってこようとする人が居ますが、いずれまた誰かを嫌いになって同じことを繰り返します。
しかしたまたま、嫌いな上司以上が居なければ問題は発生しません。元々仕事は好きなのだから「来る者は拒まず」となるのです。
いずれにせよ他人を好き嫌いで判断しているようでは人格の向上は見込めませんし、遅かれ早かれ同じ過ちを繰り返すことになるでしょう。
どうすれば人格が向上するのか?
人格の向上とは自分の価値を高める事、つまり徳を積むしかありません。
”積む”とは、
「自分さえよければいい」という心を捨て、
「他人のせいにする」という心を捨て、
「他人をバカにする」という心を捨てることです。
”徳”とは、
「自己の損失を顧みずに他者の利益を図る」振舞であり、
「恩に報いる」振舞であり、
「他者の苦しみを抜いて福楽を与える」振舞の事である。
人格の向上は、これらの振舞を意識することから始まります。そこには他人に対する”好き嫌い”の感情は存在しないのです。