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リーダーシップ論

リーダーシップの定義について、「マネジメント」 の発明者であるピーター・ドラッカーは以下のように述べています。

①リーダーシップとフォロワーシップ
「信頼するということは、リーダーを好きになることではない。常に同意できることでもない。リーダーの言うことが真意であると確信を持てることである。それは、真摯さという誠に古くさいものに対する確信である」
②リーダーシップは資質ではなく仕事である
「リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることである」
③リーダーシップを、地位や特権ではなく責任と見ること
「リーダーたることの第二の要件は、リーダーシップを、地位や特権ではなく責任と見ることである。優れたリーダーは、常に厳しい。事がうまくいかないとき、そして何事もだいたいにおいてうまくいかないものだが、その失敗を人のせいにしない。

警備会社におけるリーダーシップ

警備とは事故、破壊、盗難等の事変に備え、警戒や防護を行うことです。
そのため安全に人や車両の誘導を行う業務を2号業務(交通誘導・雑踏)と言う。

警備会社の経営者なら解りきったことですが、この本質がリーダーシップである事を理解していない人もいます。
この本質とは、”誘導”の事です。

 

経営者は安全にかつ事業の目的を推進するために、社員を”誘導”するのです。
ちゃんと誘導できないと、クレームになったり事故が起きたり分裂が生まれるのです。

相手にゆだねるだけではリーダーシップでは無い!

たまに人や車両の誘導を行う業務なのに何もせず、サボっている警備員がいます。
しかし事故も発生せず、穏便に一日が終了することがあります。

 

これは歩行者や車両の運転手の自主性にゆだねている状況です。
民度の高い日本人は、安全意識も高く警備員の誘導無しでも、そう簡単に事故にならないでしょう。それどころか、警備員がいないほうがスムーズかもしれません。

 

リーダーシップの無い経営者でも会社が運営されるのは、この状況なのです。
ですが、いずれ大きなクレームや事故になる事は明々白々です。

誘導することがリーダーシップなのです

真に誘導の上手い警備員は、顧客や仲間からの信頼も厚く、強力なリーダーシップを発揮します。
ピーター・ドラッカーによるリーダーシップの定義にあるとおり、

①リーダーの言うことが真意であると確信を持たせるだけの腕前がある。
②”誘導”は仕事である。
③仕事に対して常に厳しいが、トラブルが起きると率先垂範の行動をとる。決して他人のせいにはしない。

この3つの定義に完全一致しているのです。
経営者は最高の誘導員でなければいけないのです。

方向指示器つきお茶くみ業

以下は、松下電器(現パナソニック)の創業者である松下幸之助の言葉です。

独立してからも病弱だった松下幸之助は、「後方にいて、社員に仕事をしてもらっていたという意識だった」と述懐している。ことに終戦後の、社長も社員も人間としては平等という風潮のなかでは、命令を下しても、心中「こうして下さい」とお願いする気持ちをもつようになったという。

 

そうなると、社員の働きに対して「ご苦労様、お茶でもどうぞ」というねぎらいの気持ちが自然に生まれた。これが“社長はお茶くみ業”という発想になった。

 

しかし、ただ仕事をしてもらっているという考え方だけではいけない。経営者は経営理念や使命観といった進むべき方向を指示する必要があるという。“社長は方向指示器つきお茶くみ業”という意味はここにある。

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