一代で築いた中小企業の末路
一代で築いた中小企業のオーナーにとって、会社とはいったい何なのでしょうか?
まず大抵のオーナーは会社の株式のほとんどを保有しています。
↑そもそもこの時点でほぼ会社は私物となっています。
勿論、運転資金の調達などリスクを一人で背負っているわけですから、仕方がありませんが。
次にオーナーが年老いたり、脳梗塞などを経験すると必ずと言っていいほど、会社の後継を真剣に考えます。
↑それまでは真剣に考えていません。
そしてオーナーに子供がいる場合は、その子供に後継させようとします。
↑遺産を相続させるためです。
子供がいない場合や子供がいても後継させられない場合は、最初からIPOによって上場させようとするか、M&Aなどでオーナーチェンジして現金化してしまいます。
なぜ社員に後継することをしないのでしょうか?
それは”お金”が理由です。通常会社がうまくいっていると会社の株式評価が上がってしまい、優秀な社員がいても一般にその現金を用意することが困難です。
その点、子供への相続にすれば現金が用意できなくても大丈夫だし、親として死ぬまで口をはさむ事が出来ます。
このように一代で築いた中小企業の末路は、現金化されるか相続するかのいずれかです。
「お金が目的ではない!」「社員のためだ!」等と思い込もうとしても、結果的には全て嘘であり偽りなのです。
夢を見ることは困難
オーナーが優秀な社員(自分のいう事を聞く社員)に「お前に会社を任せる」というのも嘘です。
社長にさせても株式を少しばかり持たせても、ただの雇われ社長に過ぎず、いざとなれば何時でも首をすり替えることが出来ます。
↑上手く利用しているだけです。
オーナーは常に現金化か相続かのいずれかしか考えていないのです。
なぜそうなるのかではなく、最初からそうなってしまう仕組みになっているのです。仕組みとは会社の持ち株比率にあります。
つまり3分の2以上の筆頭株主であれば、会社は100%オーナーの私物になるのです。
そんな中小企業に勤め、いずれは社長になりオーナーになりたいと夢見ても無駄です。
夢を見たい人は、一般に会社を自分でやるしかないのです。
そうすると一気にハードルが上がってしまい、やる気がなくなってしまいます。
だから中小企業であれ大企業であれ夢を見ることは困難なのです。