幸福の概念
聖書に「金持ちが神の国に入るよりも、ラクダが針の穴を通る方がまだ易しい」とある。
ラクダが針の穴を通る?奇跡でも起きない限り、普通に考えると難しい。
涅槃経に「解脱を得已(おわ)りて能く涅槃に入る有るは、爪上の土の如く」とある。
人間として生まれ徳を積むのは、爪の上の土ほど稀で奇跡的な事。
これらの言葉は、私たちに何を教えているのでしょうか。
表現は違えども、共通した何かを感じます。
教えの背景
聖書~
イエスが旅に出ようとされると、ある人が走り寄って、ひざまずいて尋ねた。
「永遠の命を受け継ぐには、何をすればよいでしょうか」
イエスは彼を見つめ、慈しんで言われた。
「あなたに欠けているものが一つある」
「行って持っている物を売り払い、貧しい人々に施しなさい」
「そうすれば、天に富を積むことになる」
その人はこの言葉に気を落とし、悲しみながら立ち去った。
たくさんの財産を持っていたからである。
涅槃経~
お釈迦様が弟子の阿難さんと一緒にインドのとある地方を旅していた時。
広大な砂漠のような平原に差し掛かりました。
その時お釈迦様は身をかがめて右手の指で土をつまみ指を広げて下へ落とします。
「この見渡す限りの平原の土と私の爪の上に付いている土とどっちが多いと思うか」
阿難さんは「もちろん平原の土の方が多いです」と答えます。
お釈迦様は「そのとおり、世の中で毎日この平原の土の数ほど命が生まれてきているが、人間に生まれてくることができるのはこの爪の上の土の数ほど少ないんだよ」
人生において大切なもの
物質的に健康であっても、身体的に健康だろうか。
身体的に健康であっても、心が健康だろうか。
心の健康とは、人々のためにどれだけ尽くしたか。
自己を精神的・人間的に成長させ、感謝と報恩に満ちていることである。
心の健康が第一であり、その手段として物質的・身体的健康があるにすぎない。
心の健康を阻害する物は、捨てるのだ。