空間そのものが膨張している
1929年、エドウィン・ハッブルという天文学者が、銀河を観測して、宇宙が膨張している事を観測しました。
さらに2011年ノーベル物理学賞を受賞した、サウル・パールミュッター教授、ブライアン・シュミット教授そしてアダム・リース教授は「遠方の超新星爆発の観測による宇宙の加速膨張の発見」しました。
また、その後退する速度は、遠い銀河ほど速く遠ざかるというものでした。
WMAPによる宇宙マイクロ波背景放射の温度ゆらぎを見たことがあると思いますが、これより先の光(137~138億光年)は膨張速度が光の速さを超えるので観測できないそうです。
難しい話は分かりませんが観測の結果、遠い銀河ほど速く遠ざかり、光の速さを超えるとは、どういうことなのでしょうか?
最も説得力のある説明は「空間自体が膨張している」事です。
単に銀河が相対的に遠ざかっているのではなく、空間そのものが膨張しているから、遠方ほど移動距離が光の速さを超えるという説明です。
上図のように空間が2倍になった時、
恒星Aは位置1→2、恒星Bは位置2→4、となります。
移動距離は、
恒星Aが2-1=1、恒星Bが4-2=2、となります。
だから遠い恒星ほど移動距離が大きくなり、遠くなればなるほど移動距離が光の速さを超えるという説明です。
上の説明では地球が宇宙の中心にあるかのような誤解が生じますが、宇宙は広大でどの位置から観測しても同じです。地球から観測できる限界が宇宙マイクロ波背景放射までで、その先が果てしなく存在するということなのです。