根回しとは
事をうまく運ぶために、あらかじめ手を打っておくことを”根回し”と言う。
元々は常緑樹で長年その場所で育てた樹を移植する手法の事。
簡単に言うと、移植のために根と枝葉を切るという事です。
なんとなく、良いイメージではない言葉ですね。
しかし止む無く樹木を移植するには、必ず根回しが必要なのです。
でなければ、樹木は結局枯れてしまうからです。
同様に良し悪しはともかく、目的の実現にも必ず根回しが必要なのです。
でなければ、目的は実現されません。
馬鹿の一つ覚えのように、目的を連呼しているだけでは実現しないという事です。
根や枝葉を切るといった、一見極端に見える手法が必要だという事です。
どうして枝葉まで切る必要があるのか?
小さい樹木なら根こそぎ堀あげ、移植してしまえば済みます。
しかし大木となると、巨大になり運搬に支障が出ます。
そこで、根っこの中心部以外をカットするのです。
この時、根と枝葉のバランスが同等でないと移植した後、結局枯れてしまうのです。
だからバランスを同等にするため、枝葉もカットするのです。
なんとなく、根回しの本当の意味が解った気がしますね。
樹木の場合、目的が移植であり、根っこが収入だとすると枝葉は支出です。
ビジネスの場合、目的が事業であり、売上が収入でそれ以外が支出になります。
バランスがカギ
了承をあらかじめ得るといった単純な根回しでは、小目的しか実現できません。
大目的の実現には、もっと極端な根回しが必要になるのです。
どんな目的にも、プラス面とマイナス面が存在します。
プラス面だけを優先すると、必ず足をすくわれることになります。
反対にマイナス面に気を取られていると、いつまでも目的を実現できません。
だから、一時的にはプラス面を削ってでもマイナス面とバランスさせないといけない。
たとえば小目的の実現なら、賛成と反対の割合が2:1でもいい。
しかし大目的を実現するには、あえて1:1にしないといけない。
そんなバカな?
しかし、そうなのである。
収支のバランスも同様で、ずっと2:1だと必ず反乱がおきる。
逆にずっと1:2だと、すぐに倒産する。
1:1なら潰れないし反乱も起きずに、大目的に向かうのだ。