企業内学校(学園)
企業内学校とは、企業が社内に社員の教育(企業内教育)のために設置し学校と呼称しているものです。
いわゆる学校教育法に定められる学校ではありません。
以前は大企業を中心に、結構たくさんの学校がありました。
2000年以降は、ほとんどが閉校になったようです。
企業内学校は、それぞれの企業理念に沿った方針で運営されます。
だから一般の学校とは、何もかもが違っていました。
一番の違いは、”給料をもらいながら勉学に励む”ところですね。
東芝にも東芝学園があった
今は色々大変な東芝にも東芝学園(閉校)という学校が存在しました。
現在のパソコンと言うものがほとんど存在しない時代、これからのコンピューター時代に備えた技術者を輩出するための学校でした。
この学校は地元の人であっても、無条件で全寮制です。
修業年数は1年ですが、毎日(月~金)7.5時間の授業を受けます。
さらにその間、8回の試験を合格しないと卒業できません。
”落第”と言う概念はありませんので、欠点即退学になります。
(退学になると適当な事業所に飛ばされます)
その代わり晴れて卒業できると、自分の好きな事業所・部署を選ぶ事が出来るのです。
これは大きな特典ですね。
どんな学校?
学園に入学する人は、大半が高卒者です。
一部、全国の事業所から推薦された人が入学するケースもあります。
中には東大卒の人(やっぱりデキが違いますね)もいました。
高卒とはいっても、学年上位の成績者ばかりで普通に「生徒会長やってた」と言う変な人もいます。
授業以外に自衛隊への体験入隊や、寺で座禅・山登り・キャンプなどもあります。
そして学園の規則がこれ又よくわかりません。
例えば、タバコ・酒・麻雀はOKなのに、車・バイクは帰省中でも全面禁止。
寮ではオーディオやドンチャン騒ぎがOKなのに、テレビは禁止。
まったく意味がわかりません。
まあ1年間の辛抱なので、贅沢は言えません。
というより、何が目的なのでしょうか?
そんなに甘くない
まあ一応、毎月給料はもらえますが、今で言うブラック中のブラックです。
修業(就業?)時間は8時間ですが、それと別に毎日4~5時間分の宿題が出ます。
金曜日は土日休めないほどの宿題(英論文の翻訳?など)が出ます。
勿論、宿題をやっていかないと落第します。
まさに問答無用の教育方針ですので、寮には頻繁に救急車が来ます。
途中で辞める社員は後を絶ちません。
こんな状況下でも、まじめにやる人がいるのは大変不思議な事です。
優秀な奴はやっぱり優秀なんですね。
学園の狙い
この学園の狙いはいったい何だったのでしょうか
これは卒業してからわかった事ですが、技術者の養成だけが目的ではなかったのです。
そもそも規則が変だし、死ぬほど勉強させられます。
(事実、死んだ人もいました)
競争社会で一流になるには、頭がいいだけでも体が丈夫なだけでもダメです。
最も必要なスキルは、不可能を可能にすることにあります。
まともにやってれば身体が持ちません。
如何にいい意味で手を抜き、周りと協力するかにかかっています。
つまりまともにやっても、諦めても不可能は可能にならないのです。
これが学園の本当の狙いだったのです。